投資信託をこれから始めるのであれば、どんな銘柄を扱ったものがいいのでしょうか。できるだけ、大きく値上がりするような銘柄を見つけたいものですが、近い将来で考えていけば2020年の東京オリンピックは見逃せない機会だと言えます。
もし、東京オリンピックに注視して投資方法を選ぶのであれば、Jリートがおすすめです。
Jリートは国内の複数の不動産に投資ができる不動産投資信託で、現物の不動産に比べてはるかに安い金額で取り組むことができる投資方法になります。
そこで、今回はJリートとは何なのか、これからの投資方法として、なぜJリートがおすすめなのかを解説していきます。
少額から不動産投資
不動産投資を投資信託で始めるなら、わずかな資金からでも投資を実現することができますが、現物の不動産に投資した場合には、いったいいくらくらいの資金がかかるのでしょうか。まずは、首都圏の不動産を購入価格を見てみましょう。
首都圏の新築マンションの価格
不動産情報サイト「SUUMO」によると、
2017年の新築マンションの購入価格の平均は関東地区(東京、神奈川、埼玉、千葉)で5,452万円。関西地区(大阪、京都、奈良、和歌山、滋賀)では4,060万円との統計が出ています。
関東地区に関しては、6,000万円を超える物件が全体の30%を占めているとのことです。
※SUUMOジャーナル 新築マンション購入価格
上記のグラフは2016年度と2017年度の新築マンションの購入価格の平均になります。
中古マンションの購入価格
続いて、中古マンションの購入価格を見てみましょう。
東京都内の最小規模40㎡未満のマンションの購入価格の平均は、
※HOME4YOU参照 参考リンク
地区 | 価格 |
千代田区 | 3,415万円 |
港区 | 3,170万円 |
新宿区 | 2,730万円 |
八王子市 | 654万円 |
多摩市 | 365万円 |
といった統計が出ており、500万円以下で購入できる中古マンションは東京都内ではほんのごくわずかです。
いくら住宅ローンを活用した上で、少額資金から不動産投資をする方法があるといっても、職種や年収によってはローン審査に通らない場合もあります。
その上、不動産投資を始めるためには、ある程度の専門知識を必要としますので、興味があっても見送ってしまう人は多いでしょう。
そこで、最近注目されているのが、投資信託として少額から始めることのできるJリート(J-REIT)です。Jリートは不動産投資信託とも呼ばれているもので、Jリートは不動産のプロに運用を任せることができるので、初心者でも安心です。
国内不動産を扱ったものをJリート、海外不動産を扱ったものを海外リートといいます。
Jリートの概要
Jリート(J-REIT)とは、
国内の不動産を中心に投資を行うことのできる投資信託のことです。一般の投資信託と仕組みはだいたい同じですが、売買方法が若干異なり、株式のように上場している証券を直接市場にて売買することになります。
上場投資信託、ETFとも呼ばれているものです。Jリートは不動産投資機関の税金対策として、分配金が高いことも魅力になっています。
その不動産投資信託の証券を発行するのは、不動産投資に特化した不動産投資法人がメインとなり、それぞれの投資機関は独自の不動産を所有し投資を行っています。その投資資金を一般の投資家たちから集めるために証券を販売しているのです。
※Jリートの仕組み
上場している株式を、一般の投資家が市場にて売買できるように、このJリート証券を誰でも簡単に売買することが可能なのです。
株式と同じようにそれぞれの銘柄には証券コード(番号)があります。証券コードまたは銘柄名で検索することができます。
- 証券会社の口座を開設する
- 購入したいJリートの証券コ―ド、銘柄名を検索する
- 購入手続きをする
- 値上がりして売却したい時は売却できる
以上の流れで購入することができます。
Jリートの種類
特化型Jリート
特化型Jリートとは不動産の用途を特定のものに限定して投資を行うタイプのJリートです。
不動産の用途は以下のように、
- オフィス系リート
- 住宅系リート
- ホテル系リート
- 商業施設系リート
- 物流系リート
- ヘルスケアリート
約6つの用途に分かれます。その時々の市場の動きに合わせて、住宅系、ホテル系などを選ぶことができます。
複合型Jリート
複合型Jリートとは上記6つのタイプの不動産をいくつか組み合わせて投資を行うものになります。
それぞれ用途の異なる不動産に同時に投資を行うことで、リスクを抑えてバランスのいい分散投資を実現することができます。特定型に比べるて低リスクで安定した収入を得ることが期待できます。
ただ、ホテル系が一気に伸びている時に、その他の用途の不動産が利益率を下げてしまう可能性もあります。
市場の動きを自分で分析できる方には、特定型。損失を抑えて安定した利益を狙いたい方には複合型がおすすめでしょう。
Jリート銘柄一覧
Jリートの銘柄は日本取引所グループのサイトで確認することができます。
気になるJリートをクリックすると・・・
そのJリートのチャートや詳細が確認できます。
さらに、各Jリート名をオンラインで検索すると公式サイトにて、詳しい保有不動産情報などを調べることができます。
Jリートの購入価格
まず、Jリートの売買には、各証券会社の定めた手数料がかかります。
証券会社によって、1回の売買にかかる取引手数料は異なるので注意して下さい。松井証券であれば10万円以下の取引は無料となるので、初心者にはおすすめです。その他マネックス証券、GMOクリック証券も手数料は安いです。
Jリートによって、購入単価はそれぞれ異なります。最低購入単価(最低購入口数)×個数 で注文することができます。
という計算になります。
株価と同様に市場の動きによって購入価格は上がったり下がったりしています。5万円以下、10万円以下で購入できるJリートもあれば、100万円以上のものもあります。
なぜJリートがおすすめなのか
では、冒頭でもお伝えしたように、なぜこれから投資信託を始めるのであればJリートがおすすめなのでしょうか。それは東京オリンピックと関係があります。
現在、2018年の後半、もうすぐ2019年です。2019年になれば、いよいよ2020年の東京オリンピックへのカウントダウンへと突入していきます。そうすると、遠い未来の話のような気がする東京オリンピックも、現実的なものとして国内では期待や興奮が高まり、盛り上がってくるでしょう。その、盛り上がりにあやかって、価格の上昇が見込めるのがJリートになるのです。
なぜなら、すでに投資に興味のある人であれば予想している通りに、東京オリンピック開催期間に宿泊施設・商業施設などの需要が急激に高まるからです。
2020年の東京オリンピックには、世界各国から巨大な数の人々が押し寄せてきます。しかも関東地区は、世界でも有数の最高地価エリアであります。そこから得られる利益とはいかなるものか、想像を絶してしまう程です。
東京オリンピックの宿泊施設の需要
では、ここで東京オリンピックに限らず、オリンピックにはどれだけの人が集まるのかを調査してみたいと思います。
まずは、オリンピックに参加する国数、選手数はどれくらいの数になるのでしょうか。
オリンピック関連の情報サイト、SPORTS DATA MUSEUMの統計によると2012年に開催された第30回オリンピック競技大会では、参加国204か国、参加選手10,568人。
2016年にブラジルで開催された第31回オリンピック競技大会では、参加国206か国、参加選手11,237人となっています。現時点では、参加国は210カ国、参加選手数は上限として12,000人が見込まれているようです。
※オリンピック過去5年の参加国数、参加選手数
※これまでのオリンピック参加国、参加選手数の推移
これらの数字にプラス、選手の関係者(各種スポーツ団体、コーチや家族など)、マスコミ関係、スポンサー関係、一般の観衆が加わることになります。
- オリンピック開催時に必要なボランティアとして、総数で11万人の募集がされています。
- チケットの販売数はオリンピック780万枚、パラリンピック230万枚、合計1010万枚が予定されています。
オリンピックに続いて開催される、パラリンピックにおいての動員数も考慮すると、かなりの数の宿泊施設の需要があることは誰の目から見ても明らかです。
注目したいJリートの種類は
そこで、注目したいJリートの種類はやはり宿泊施設となります。なぜなら選手、関係者、一般の観衆を問わず、滞在中に最も費用がかかると思われるものの1つが、オリンピック滞在時に支払う宿泊費用になるからです。
オリンピックの競技施設
オリンピックの競技会場として予定されているのは国内で40会場あります。開会式・閉会式・陸上競技の会場である「新国立競技場」をはじめ、「日本武道館」「国立代々木競技場」「東京国際フォーラム」「東京スタジアム」などそのほとんどが関東地区にあります。
ということは、関東地区に宿泊施設を有するJリートを購入しておく価値は非常に高いと言うことができます。
もちろん、このように考える投資家達の間でJリートは数年前から注目されていました。
※東証リート指数
上のグラフは、東証リート指数のここ3年間の推移を表したものです。2016年の前半に急激な盛り上がりを見せているのがわかります。おそらく、東京オリンピックに対する期待が一気に集中したものと見ることができるでしょう。
その後2017年の後半まで、下落していきます。その他の市場の動向などに影響されたことと、まだ数年後を控えるオリンピック熱が一旦冷めてしまったようです。
そして、2018年に入ってからまた徐々に上昇を始め、現在盛り上がりを見せつつあるところです。
2019年に入れば、東京オリンピックもより身近な出来事をして具体的なものとなってきます。開催まで1年を切る辺りから、カウントダウンを始めるオリンピック関連企業、スポンサー企業なども増えてくるでしょう。
今後の不動産の展開
では、東京オリンピックだけが、現在Jリートを購入する魅力になっているのかと疑問に思う人もいると思います。
中長期で(3年以上)で考えた場合には、Jリートの展開はどうなのでしょうか。そこで、今後の不動産の展開を考えておきたいと思います。
訪日外国人
近年増加傾向にある訪日外国人の数も、Jリートの価格の上昇を今後支えていく要素となります。東京オリンピックに関しても言えることですが、オリンピック以降も訪日外国人を対象とした宿泊施設の需要は増加していくと見ることができます。
ホテル、旅館などの宿泊施設だけに限らず、民泊に力を入れる企業も増えてきており、一般の人たちの間でも気軽に民泊を始める基盤が整ってきています。旅行者だけでなく、国内に滞在する海外からの留学生、就労者向けの賃貸施設にも期待することができるでしょう。
空き家問題
高齢化社会、少子化、核家族化などの進展とともに、今問題となっている空き家問題。国土交通省の統計によると空き家の数は年々増え続けており、特に地方における人口減少が深刻な問題として今対策が練られています。
首都圏では住宅の購入が難しいと言われている中、地方へ転職・転居をする際に国の支援によって地方創生推進交付金を受けることができるようになりました。また、地方自治体は空き家の民泊利用や2次利用を推奨していく方針で、今後は格安で購入できる地方の中古住宅が人気を集めていくのではないか見ることができます。
IT技術
また、IT技術の普及によって在宅勤務の比率が進んでいけば、これまでのように、勤務地を考慮する必要がなくなり、敷地の広い割安な住居が見直されていく可能性もあります。
同時にオンラインの小売り業者が増大していくとすれば、それに応じて物流施設の需要が高まり、逆にオフィス関連の不動産の需要が低下していくと見ることもできるでしょう。
不動産の今後の予想
以上のことからJリートを検討するとすれば、訪日外国人に注視した場合は、観光や商業施設が発達している首都圏、住宅で考えていくならば首都圏よりも地方、新築よりも中古、オフィス関連よりも物流関連のリートが伸びていくのではないかと予想することもできます。
今後の様々な展開を予想して、長期でJリートを考えるならば、地方の中古住宅や郊外のロジスティックなどの複合型リートや、訪日外国人に特化した民泊型宿泊施設など。
そして、今、東京オリンピックに注視するならば、首都圏の宿泊施設や賃貸住居が手堅い投資になると言えるでしょう。
不動産投資 Jリートの紹介
それでは、今回は東京オリンピックを最高の投機と考え、ホテルや民泊などの宿泊需要に応えることのできるおすすめのJリートをいくつかご紹介しておきましょう。投資の初心者を対象に比較的購入しやすい安価なリートを選んでみました。価額などの詳細は2018年11月2日時点での情報を参考にしています。
インヴィンシブル投資法人
証券コード【8963】
首都圏の住宅、ホテルなどを中心に投資を行っています。
価額:46,800円
分配金利回り:7.192%
今期予想分配金:1683円
チャート・価額情報 参考リンク
※2016年度には80,000円以上の高値を更新しており、商業施設の数も多いことから、オリンピック向けには価格的にもおすすめのJリートです。
ジャパンホテルリート投資法人
証券コード【8985】
ヒルトン、シェラトン、ホテル日航などの高級ホテルをメインに運営しています。
価額:80,800円
分配金利回り:4.814%
今期予想分配金:3,890円
チャート・価額情報 参考リンク
※保有物件41件中すべてホテルであることが大きな魅力です。東京オリンピックにかけて大きな値上がりが期待できそうなリートです。
日本賃貸住宅法人
証券コード【8986】
東京都23区のワンルームの賃貸物件が保有不動産の半分以上を占める
価額:89,100円
分配金利回り:4.377%
今期予想分配金:1,950円
チャート・価額情報 参考リンク
※東京オリンピックに特化した民泊経営も期待できるリートの1つで、2012年以降は上昇基調を保っているのみ興味深いですね。
森トラストホテルリート
証券コード【3478】
都内のホテル3件と大阪1件のホテルに集中して投資を行います。
価額:137,200円
分配金利回り:4.355%
今期予想分配金:2,988円
チャート・価額情報 参考リンク
※シャングリラ東京、マリオットホテル東京・新大阪、ホテルサンルートプラザ新宿の計4件と、投資内容や運用報告もシンプルで分かりやすいのが特徴です。
野村不動産マスターファンド投資法人
証券コード【3462】
不動産物件288件に対して、関東地区の物件が大多数となり、居住用が約半分以上を占めます。
価額:147,000円
分配金利回り:4.229%
今期予想分配金:3,111円
チャート・価額情報 参考リンク
その他のJリート
- ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人【3278】
- いちごホテルリゾート投資法人【3463】
- トーセ―・リート投資法人【3451】
- サムティ・レジデンシャル投資法人【3459】
- 平和不動産リート投資法人【8966】
など・・・
まとめ
前回の東京オリンピックは1964年のことでした。そして、今回の東京オリンピックは2020年。約56年ぶりの機会となります。
みずほ銀行の経済分析によると、2020年東京オリンピックによる経済効果は約30兆円にのぼるだろうと見込まれています。このような機会はそう度々訪れるものではありません。
災害やその他地理的な要素によって、オリンピックが中止・延期になる可能性が全くないとは言い切れませんが、何事もなく開催されるとすれば、これ以上の利益が期待できる投機はしばらくないと断言できます。
是非、この機会に宿泊施設に特化したJリートを今のうちに1つでも購入しておきたいものです。